当社は、 PPRプラットフォーム技術を応用し、主に神経変性疾患、筋疾患、希少疾患などの領域で遺伝子治療薬の創薬・研究開発を行なっています。RNAを標的とするPPRプラットフォーム技術を用いることによって、治療過程でのゲノム(DNA)の損傷を低減し、より安全で画期的な治療薬の開発が可能になると考えています。
世界中の病気に苦しんでいる患者さんに当社技術を用いた治療薬をお届け出来ることを目指して、日々、創薬に取り組んでいます。
標的可能なRNA関連疾患
一塩基置換、翻訳活性化、スプライシング制御などの多彩な作用機序によって、さまざまなRNA関連疾患を標的とすることが可能です。
作用機序
一塩基置換
対象疾患
・RNAの点変異(C>T、T>C変異)によって生じる疾患
・ミトコンドリア病など
翻訳活性化
対象疾患
・mRNAの変異、タンパク欠損により生じる疾患
・遺伝子サイズが大きく、遺伝子補充では適用できない疾患
・ハプロ不全疾患など
スプライシング制御
対象疾患
・スプライシング異常により生じる疾患
RNAブロッキング
対象疾患
・RNAの異常伸長による変異(スプライシング異常、翻訳異常、タンパク凝集など)による疾患
・リピートRNA疾患
・筋強直性ジストロフィー1型(DM1)など
疾患領域に応じた戦略的なDDSの選択
アデノ随伴ウイルス(AAV)をはじめとしたウイルスベクターへの搭載や、mRNAとしてのデリバリーなど、疾患や治療アプローチに応じて、最適なDDS(薬物送達システム;Drug Delivery System)を選択して創薬を行います。
創薬パイプライン
リードプログラム
EF-210
対象疾患:筋強直性ジストロフィー1型 (myotonic dystrophy type 1: DM1)
DM1は骨格筋、眼、心臓、中枢神経系、内分泌系を侵す多系統の疾患であり、患者数は全世界で少なくとも2,300人に1人(日本では約5,000人、日米欧では約50万人の患者)と推定されています。重篤な症状を示す場合もあり、有効な治療薬が求められている疾患です。
トリプレットリピート病の中で最も多く、DMPK遺伝子の非コード領域におけるCTGリピートの反復が原因と考えられています。
アプローチ
EF-210は原因となるCUGリピートRNAに特異的に結合し、スプライシングファクターをリリースすることで、スプライシングネットワークおよび、筋症状を回復することを目的とした創薬プログラムです。